でもね、ミラーニューロンで表情を移し取ると、脳には、その表情をするときの脳神経信号が誘発されるのである。つまり、表情は出力だけど、入力にもなるってこと。
笑顔につられて笑顔になると、脳には嬉しいときの神経信号が誘発される。不満顔につられて口角が下がると、脳には、不快なときの信号が誘発されるのである。
◆たとえ不満を表明するときでも前向きな表情で!
不安や不満の表情をした人の言うことを、人は受け入れられない。だって不安になり、不満になるからだ。たとえ、相手に不満を表明するときでも、前向きの明るい表情をするといい。相手が前向きの気持ちになって、受け止めてくれるから。
家族の脳を、前向きの嬉しげな表情で、ポジティブにしてあげようよ。結果、自分にとっても居心地のいい家になるから。そしてそれは、孫の脳がすくすく育つ家でもある。
まず笑顔より始めよ―人生を切り拓く、最高のコツだと、私は思っている。そして、その拓かれる人生は、孫の人生なんだよ。
<文/黒川伊保子 構成/女子SPA!編集部>
【黒川伊保子】
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ』