■犯人は配線工?
この日の午前中、マンションには配線問題を解決するために業者が呼ばれていました。
花さんの母親は、工事中に何かの液体を使用した業者らが「なるべく離れてください」と注意喚起をしていたことを思い出します。
その業者が作業に使っていたのは低濃度の硫酸の水溶液である「稀硫酸」。単体では皮膚などにかからない限り全く問題のない物質ですが十分な酸素が無い環境では有機物分解が促進され、硫化水素を生成する可能性があるものです。
■死因は硫化水素中毒
それが何らかの拍子でマンションに充満し、花さんはトイレの中で運悪く吸いこんでしまったのでしょう。
検死の結果、花さんは硫化水素中毒で死亡したことがわかりました。
適切な処理を行わなかった業者は警察署に拘留されましたが、後に証拠不足で釈放されています。