「司会者は、『次は豪華ゲストのロックバンド、○○です!』などと必死に盛り上げようとしていて。ファンの人たちは熱狂していましたが、出てくるのは、まるで知らないバンドばかり。しかも、素人の私が聴いても、歌も演奏もひどくて……盛り上がりようがありませんでした。披露宴で新郎の会社の同僚たちがお祝いの演奏をしたのですが、そちらのほうがだいぶマシだった、というレベルでしたね。でも、いつの間にか、女友達まで新郎そっちのけでノリノリになっていました」
一時間近くのライブが終了すると、あとはご歓談を、となったものの、まともに会話ができる状況ではなかったそうです。
「これでやっと落ち着けるかなと思ったら、常にバンドマンのCDが会場内にガンガンかかっていて、うるさくてしょうがなかったんです。バンドマンたちは、誰よりもたくさん飲み食いしながら、それぞれのファンと大騒ぎしていました。ライブ会場というよりは、もはやタチの悪い飲み会でしたね」
◆記念撮影は知らないバンドの決めポーズで
「挙句の果てに、女友達が席を外した際、泥酔したバンドマンが、女友達の席に座ってしまって。新郎の肩を無理やり抱き、『俺が花嫁だー!!』と叫んでいました。その光景を見て、ファンはキャーキャー言いながら写真撮影。ほかの人たちはドン引きで、あちこちから『これじゃあ、あんまりにも○○(新郎)がかわいそう』という声が聞こえてきたほどです」
新郎と新郎の親族は下を向いて無言になり、怒りと恥ずかしさをこらえているようだったとか。
「グダグダの二次会の最後に、記念撮影をすることになったんです。すると、『それでは最後は、やっぱり、あのバンドのあのお決まりのポーズで決めましょう!』と司会者が宣言。どこのバンドだよ、って感じでした。司会者と、女友達を含めたファンに、ほかの参列者は何度もポーズの練習をさせられて……大半の人は苦笑いでそれに付き合いましたが、新郎側の参列者の一部は、かたくなに拒否。空気が最悪のまま、帰りは女友達と新郎が見送りしていたのですが、結婚式のとき以上に幸せそうな女友達に対し、新郎は死んだような表情をしていましたね」