シリーズのプロデューサーを務める亀山千広氏は、かつて小泉起用の理由について「可愛くてちっちゃい女の子なのに実は怖い、というのが狙い。そんなタイプをできるのは小泉さんだけと思った」と説明。

 サイコスリラー映画『羊たちの沈黙』(1991年公開)で名優のアンソニー・ホプキンスが演じた猟奇的殺人犯の女性版と位置付けていることを明かしていたが、映画ライターもこう話す。

「80年代からアイドルして活躍し、映像作品で次々と主演、ヒロイン役をこなして芸能界の王道を歩んでいた小泉でしたが、『踊る』の真奈美役の“怪演キャラ”ですっかり新境地を開拓。劇場版ではなくてはならない存在になりましたね」

 先日公開された11月公開の後編『室井慎次 生き続ける者』の最新予告&ポスタービジュアルでは不気味な笑顔を浮かべ、怪しい動きを見せていた娘の杏とガラス越しに対面する真奈美の姿も見て取れるが、母娘が一体何をたくらんでいるのか何とも気になるところである。

 劇中の室井にとっては何とも厄介な存在の真奈美だが、織田や深津がいない今作で孤軍奮闘する主演の柳葉にとっては、小泉は何とも心強い共演者と言えるだろう。