作家・東野圭吾氏のベストセラー小説『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(光文社文庫)が『ブラック・ショーマン』のタイトルで実写映画化されることが明らかになった。来年公開予定の同映画は、東野氏の人気シリーズ『ガリレオ』でタッグを組んだ俳優・福山雅治が主演を務めるほか、相手役には有村架純が起用されるという。

 有村といえば、今年7月期のフジテレビ系“月9”ドラマ『海のはじまり』に出演。主演の目黒蓮の恋人役を演じたが、3年以上交際していた相手に子どもがいたことが発覚し、共同生活を続けるか、別れるかの決断を迫られた末に後者を選ぶというストーリーを受けて、視聴者からは「見ていてしんどい」などといった声が殺到して話題となった。

 そんな中、同映画でも結婚を間近に控えて父親を殺されるという不幸な役を演じることになるが、映画ライターはこう語る。

「有村さんは11月にNetflixで配信予定の『さよならのつづき』でも、プロポーズされた当日に最愛の恋人を事故で亡くし、その恋人が臓器を提供した相手と恋に落ちるという役を演じます。また、来春公開の映画『花まんま』でも“秘密”を抱えた女性を演じるようですし、なかなか幸せな役が回ってきませんね」

 振り返れば、18年放送のドラマ『中学聖日記』(TBS系)では教え子と恋に落ちて学校を追われる女性教師を、21年放送のドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)では“自称・疫病神の中浜さん”を、22年公開の映画『月の満ち欠け』では、許されぬ恋と知りながら若い大学生に惹かれていく女性を演じている。

 また、昨年にNetflixで配信された『ちひろさん』でも家族ともうまくいかず、海辺にある弁当屋で働く元風俗嬢の役を、同年のNHK大河ドラマ『どうする家康』では非業の死を遂げた家康の正室を演じており、配役の薄幸ぶりが目に付く。

 芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう語る。

「有村さんというとかつては清純派俳優のイメージがありましたが、確かに最近は薄幸な役が多いですよね。いわゆるモデル出身の俳優に多いクールビューティーな強さを感じさせるタイプではなく、目鼻立ちがはっきりとした可愛らしい顔立ちながらどこかはかなげで守ってあげたいと思わせる雰囲気を漂わせているところが、そうした役にマッチしているのかもしれません。それに加えて、細やかな表情の変化でその時の感情を表現できるなど確かな演技力があることも無視できないでしょう」