◆「高級路線」のセブン、「増量」のファミマとローソン

 また、セブンは「金の」と商品名に冠した少々割高のシリーズ「金のシリーズ」に代表されるように、プチ贅沢商品を多く展開しており、“高級路線”のイメージが定着した。その一方で、ファミマは料金は変えずに40%増量する「40%増量作戦」を、ローソンも「40%増量作戦」同様に値段は据え置きで量を増やした「盛りすぎチャレンジ」を数年前から実施している。

 一応、セブンも2024年5月に「お値段そのままで増量フェア」を実施したが、やはり増量キャンペーンと言えばファミマやローソンがセブンよりも先に頭に浮かぶ。「セブンはプチ富裕層向け」「ファミマやローソンは庶民の味方」という認識が広まったことも、セブンが苦戦している原因と考える人もいた。

◆中途半端なセミセルフレジも客足に影響

 今回のセブンが苦戦している理由として、意外な声も目についた。多くのセブンでは現在、レジ打ちは店員が担うが会計は客がセルフで行う“セミセルフレジ”を採用している。そんなセミセルフレジの操作が煩雑なため、高齢者を中心にセブンの利用を遠ざけているという指摘に多くの支持が集まっていた。

セブン-イレブン店舗
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 既存のセルフレジであればバーコードの入力も会計も全て1人で行う仕様になっており、確かにセミセルフレジは中途半端だ。セミセルフレジを支持する声も当然見られるが、それ以上にヘイトが寄せられている。セミセルフレジの利便性が客足に多少なりとも影響している可能性は否定できない。

◆本当の苦戦の理由

 様々な分析が見られたが、実際のところセブンの苦戦は海外店舗の大幅な減益が主な原因である。国内の営業利益は1277億1200万円(7.8%減)と微減ではあるが、海外コンビニエンスストア事業の営業利益は733億2500万円(35.0%減)とかなりの落ち込み。世界的なインフレに伴い、節約志向が強くなったことが背景にあるようだ。