この場面への伏線として、風見先輩がほかの部員と「好きなタイプ」について話しているシーンがありました。

「まあ、小柄で、親しみやすくて、元気で、笑顔がかわいい子ですかね」

 この言葉を人づてに伝えられた結ちゃんがドギマギしたりしてるんだけど、まず風見先輩のご意見の内容のなさにゲンナリしてしまう。「何かに一生懸命取り組んでいる子」とか「人に気を使える子」とか、なんでもいいから中身の話をしてくれよ。あんた顔がいいのはわかるけど、ルックスと印象論でしか女の子を語れないなら、ちょっと王子様としては物足りないわよ。

 あと、結ちゃんに「親しみやすくて元気で笑顔がかわいい」っていう印象も全然ないんだよな。ここまでの結ちゃんって「とっつきにくくて、いつもイライラしてて、顔の造形だけかわいい」という女の子なのよ。

■長所がなかったのか(発見)

 ここで気づいたんだけど、風見先輩の「タイプ」は書道部の恵美ちゃん(中村守里)が結ちゃんに伝えてるわけです。

「これもう、結ちゃんやろ!」

 恵美ちゃんに「風見先輩のタイプは結ちゃんっぽい」という情報をしゃべらせることで、放課後のツーショットタイムでの結ちゃんの期待感を煽る役割を与えられたシーンです。

 つまり、結ちゃんに当てはまるホメ言葉を風見先輩が言う必要があった。

 それが、ルックスと印象論しかなかったってことなんだ。何も一生懸命取り組んでないし、気も使えないし、ここまで『おむすび』というドラマが結ちゃんという人物の内面的な長所を何一つ提示してこなかったという証拠になってるんだ、風見先輩の「タイプ」が。

 やっべーね。第13話だぜ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)