「日本テレビの水卜麻美アナやテレビ朝日の弘中綾香アナなど、局アナとして全国的な知名度を持つアナウンサーはほんのひと握りです。そこまで上り詰めるには、全国ネットの人気番組に出演する必要があるし、もっと言えば『24時間テレビ』(日本テレビ系)のような国民的な番組の司会をしなくてはならない。

しかしネット局が少ないテレビ東京では全国的に人気となる番組も少なく、局アナのままで天下を獲るのは簡単ではありません。そうなると、どうしても他局のアナウンサーに比べて“結果が出ない時間”が長くなります。自身のキャラクターを上手く活かすチャンスが少ないという現実もあり、才能豊かなアナウンサーほど、上を目指して早期に退社しやすいという事情はあるでしょう」(テレビ局関係者)

局アナを中途採用するメリットは

 早期退社によってできた穴を埋めるべく、即戦力を中途採用するテレビ東京。局アナの中途採用について、女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏は「テレ東ならではのメリットがある」と話す。まずは採用コストだ。

「アナウンサーの新卒採用は、大規模な面接や新人教育などで大きなコストがかかります。その点、経験のある中途採用であれば、そのコストを圧縮できるというのが利点の1つです。そもそもテレビ局大手6社のなかで、テレ東は企業規模や待遇などの面で他5局に及ばないのが実情です。そのため有望な就活生は、よほどの動機がなければほかの5局に流れてしまうことも珍しくありません。それなら大手5局がほとんど手を付けていない中途採用で、地方局で活躍しているアナウンサーを採用するほうが効率的です。アナウンサーとしての将来的な期待値が読みやすく、即戦力として活用できる」(丸山氏)

 地方局出身のアナウンサー側にもメリットがある。

「地方局アナウンサーは準キー局でもない限り、テレ東よりも給与が悪かったり、取材アポから編集までこなす激務だったりします。優秀で野心のある地方局アナウンサーであっても、その後のキャリアはフリーになる・他の地方局に異動するぐらいしか道がない。とはいえフリーで成功するのはいばらの道です。そこで“ちょうどいい選択肢”として浮上するのが、在京キー局で地方局よりも影響力のあるテレ東というわけですね」(同)