楽天・今江敏晃監督が今シーズン限りで退任した。その後、楽天は11日、三木肇2軍監督の新監督就任を発表したが、2年契約の1年目が終わった段階で監督が退くのは異例中の異例だろう。
球団OBが振り返る。
「10月9日に楽天モバイルパーク宮城で行われた今季最終戦。試合後に集まった観客に挨拶した今江監督は、『秋から厳しい練習をしていきたいです。チームには足りないところがあります』と来週から始まる秋季練習でチームを鍛え上げるべく、決意を語っていました。しかし、同じ日に取材に応じた球団社長は今江監督の続投などについて『これから話し合います』と言っただけ。すぐさま地元マスコミは、裏取りに奔走することになったのです」
2013年に当時の星野仙一監督が、田中将大のシーズン24連勝の大活躍により球団初のリーグ優勝と日本一を一気に決めたが、それ以降チームは優勝から遠ざかっている。現場トップの監督も頻繁に入れ替わり、選手も落ち着いて野球に集中できないゆえ、当然のことだろう。
「勝てないのは監督、選手の責任ですが、同時にフロントの問題でもある。森井誠之球団社長は昨年夏に転職してきたばかりで、元は営業畑で辣腕を振るった人物。選手などをそろえる編成トップは石井一久取締役シニアディレクターです。去年までの3年間は監督でしたが結果が出せずに退任。そのまま球団も去るものと思われていたのですが、なぜかフロントには残っているのです。GM時代は頻繁に仙台の球場や遠征先でも姿を見かけたのですが、今シーズン見かけたのは米メジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平の解説として、ワイドショーに呼ばれた時ぐらい。現場からは足が完全に遠のいているのに、いまだ球団人事に関与しています」
ならば石井SDも今江監督が活躍できなかった責任を取るべきはずだが……。
「去年監督を退任したタイミングでは、ファンやSNS上からバッシングを受けることを恐れていました。そのため今年は試合の現場には足を運ばず、球団内に元選手の影武者を置いて遠隔操作で球場の情報収集を行い、現場を掌握する編成の仕事をしていたのです。このままでは来年も静かに球団フロント職に留まる可能性は高い。球団関係者からも石井SDの責任を問う声は上がっていますが、一方で『三木谷オーナーの“お友達”だからクビは切れない』と諦めムードの職員も一定数います」