◆体を分厚くおおう脂肪は彼の人生の業そのもののよう

大学のオンライン文章講座で生計を立てている40代の教師・チャーリーは恋人を喪った絶望から引きこもって過食を繰り返し、歩行器なしでは移動もままならない。病状の悪化から死期を悟った彼は、離婚して以来音信不通だった17歳の娘との絆を取り戻そうともがき始める。

喪失感をごまかすため自らを傷つけるように手当たり次第に何かを口に運び続ける様子はあまりに痛々しく、体を分厚く覆いソファに縛りつける脂肪は彼の人生の業そのもののようで、溢(あふ)れ出す懺悔(ざんげ)の念に目を覆いたくなった。