カギは「弱さの中に隠れていた最大の強さ」
そんな彼女が本作で演じるのは絵本作家のジェシカで、ミュージシャンの妻、夫の連れ子ふたりの継母という新たな役割に早く慣れようと奮闘している女性だ。彼女は毎晩見る悪夢に悩まされており、環境を変えるために幼い頃に暮らした家へと引っ越すのだが、次女のアリスが出会ったテディベアによって悪夢へと引き摺り込まれていくこととなる。
劇中で絵本作家のジェシカが描くのは、不気味で恐ろしい絵の数々。自身の悪夢と過去の体験から着想を得ているのだが、近年メンタルヘルスの啓蒙にも力を入れているワイズは本作の幼少期のトラウマが物語の根底にあり、心理的な要素が隠れている点にひかれたという。「ジェシカがぜい弱さの中に隠れていた最大の強さを見いだすところが好きだった。今までしがみついていたものや知っていると思っていたものを放棄することで自身や愛する人を救おうとするの」と撮影を振り返り、演じたジェシカへの愛着と尊敬を語る。
監督「(ディワンダは)カリスマ性と人を引き付ける魅力にあふれた女性」
「強い女性に育てられた」と語る監督のジェフ・ワドロウは、ジェシカ役に対して自身の母親同様に強さを持った俳優を熱望したそうで、「ディワンダ・ワイズはカリスマ性と人を引き付ける魅力にあふれた女性で、ぜい弱さと強さを併せ持っているし、頭が良くて洞察力が優れていて共感力も高い。ジェシカというキャラクターに彼女自身の要素をたくさん取り入れてくれたよ」と語り、彼女をキャスティングできたことに満足しているようだ。
プロデューサーのジェイソン・ブラムも監督に同調するように、「ディワンダにはぜい弱さと強さの両方を体現できる素晴らしい能力がある。ジェシカというキャラクターに深い感情と信ぴょう性をもたらしてくれたから、観客は彼女の物語に没入し共感することができる」と彼女への信頼を口にしている。
少女の無邪気な心が生み出した空想の友達が引き摺り込む悪夢を描いた『イマジナリー』。果たしてワイズ演じるジェシカは家族を守ることができるのか…。『イマジナリー』は11月8日(金)より日本公開。