「結ちゃんは特に何もしませんし、何も言いませんでした。」と書いてて、むなしくなるんですよねえ。おもしろいとかおもしろくない以前に、『おむすび』というドラマが見ている人に何をおもしろがってほしいかが、まったく提示されない。ただただ、毎回少しずつ登場人物の説明をされているだけ。

 何より、主人公の結ちゃんという人が、何が楽しくて生きてんのかがわかんないのがつらいんです。ギャルに誘われるのが嫌だ。ギャルだった姉と比較されるのが嫌だ。嫌なことはわかるけど、じゃあ何が好きなのよ、というのが全然わからない。書道部で書道の楽しみを見出したりもしていますが、それまでマジで、何が楽しくて生きてきたんでしょう、この人。

 結ちゃんの人間性がわからないもんだから、薄い好意を寄せてくる陽太やカッパがなぜ結ちゃんをかまってるのかもわからない。そりゃ顔面はどちゃくそにかわいい女の子だけど、屈強な野球部たちがヤリイカやらイチゴやら貢物を持参してくる様子は、ちょっとグロいなとすら感じてしまいます。

 誰かがギャルになる話なんだから、誰がギャルになるのか、その「誰」を教えてほしいし、もしできるなら、その「誰」を好きになりたいわけですよ。ずっと不機嫌で、たまにイケメンと物理的距離が詰まったらポヤーンとしてるだけの女の子なんて、これだけ顔面がかわいくても全然好きになれないんです。

 もう9話、135分も使ってますからね。普通の民放1時間モノだったら3話分です。そろそろ何かアクションを提示してくれないと、どんどん結ちゃんのこと嫌いになっちゃいますよ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)