ちなみにK香さん、その時はバスケ部に彼氏がいたとか。そして実を言うと、S子さん自身とK香さんも、女子同士ながら何度かそういうことをしていた過去があったのだと……。

「本当に遊びの延長みたいなものでしたけど、私は当時から男も女も恋愛対象だったので、可愛かったK香とそういう関係になれて嬉しかったんですよ。まあ、でも彼女がピュアな女の子なわけじゃないのはわかっていたので(笑)。卒業と同時に関係は切れました」

 そしてS子さん、気づきました。もしやこの同じテーブルに集められた面々は、彼女と何度かそういう関係にあった人間なのではないかと。

「彼氏、とかではないと思うんですよね。あくまで体の関係だけ……みたいな。確証はないけど、女の勘です。お父さんお母さんがお酌に来た時、もれなく全員が気まずそうでしたから(笑)」

◆結婚式にそのメンツを揃える意図って…

 テーブルにいた男たちに、新婦からどうやって連絡が来たのかを聞いたところ、S子さんと同じようにフェイスブックだったそう。

「そこで見つからなかった男もいるでしょうから、どれだけの男と関係していたのかと。そしてそのメンツを披露宴で集めるって、全く意図が理解できない……。なんか気持ち悪さを感じて二次会はキャンセルして帰りました」

 その後、別のテーブルにいた友人からの情報で、彼女が結婚前にしきりに「私の人生最高のモテ期は高校時代だった」と語っていたことを知ったS子さん。それを聞いて、なんとなくK香さんの考えていたことがわかったようです。

「たぶん彼女、自分の人生で一番華やかだった時代の思い出を誇りたかったんじゃないかな。誰に向けてだかはわかりませんし、体の関係がモテだったとは思いませんけど(笑)」

 何とも複雑怪奇な女ごころです。

―冠婚葬祭・式典のトンデモエピソード―

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama