絶対に許せないことがあるとき、どうすればいいか。それが今回のテーマとなりました。
■他人に「許せ」ということの無意味さ
加賀美は雪美を再び屋上に連れ出し「すべてを終わらせろ」と言います。おまえの悩みは言葉では解決できない。どうしようもないことはある。だからここから飛び降りて、すべてを終わらせろ。
人が負った傷は深さも痛みもそれぞれだから、本人にしかわからない。他人が言葉で「許してあげなよ」と言っても意味がない。だから、解決できない。加賀美はそういいます。
真紀子の目の前で、もみ合いになった雪美は加賀美を屋上から振り落としてしまいます。落ちていく加賀美に手を伸ばす真紀子。それは、20年前にはできなかったことでした。
加賀美と真紀子は真っ逆さまに地面に落ちていきますが、地面に見えていたそれは第4話で登場したままほっぽってあった光学迷彩の布に包まれ、透明化されたエアマットでした。
「人は過ちを犯す。たったひとつの過ちで、その信頼すべてを覆す必要はない」
それが加賀美のメッセージなのでした。
こうして問題児のラスボス雪美を攻略した加賀美、いよいよ文化祭を迎えますが、クラスには「城島と雪美が参加するなら自分は参加しない」という生徒が少なくありません。こいつらにも「許してあげなよ」と言っても意味はないんだよな。次回、どうする加賀美。
■AIが暴走を始める
一方で、AI教師「TEACH」も自分の指示通りに動こうとしない加賀美に対して、自身の存在意義に疑いを持ち始めています。「消滅することにしたの」「私が全部、教えてあげる」などと不穏な言葉を残し、瞳の奥でデジタル表示をピコピコさせています。42歳の安達祐実の不気味さが最大限に発揮された恐ろしいシーンです。
今回、加賀美がAI教師の開発に取り組んでいた動機も明言されました。「理想の教師を作る」それは、加賀美が理想的でない教師によって傷つけられた、その過去の克己でした。