◆おじさん客を撃退
おじさん客がスマホを上手く操作できずにあたふたしていたので「できないなら私がやりますよ。いいですね?ほら、いいですね?」とせまり、強引に「はい」と言わせて素早く自分の写真を消しました。
「とりあえずデバイスから削除しましたが、不愉快な気持ちは収まりませんでした。まぁスマホの操作もろくにできないおじさんなので復元したりはしないと思いますが、とにかく本当にムカついてたまらなくて、ずっとピリピリした態度で接していたら、いつものパスタも注文せずコーヒーだけ頼むとガブ飲みして逃げるように帰っていったんです」
そしてそれ以来、そのおじさん客はカフェに来なくなったそう。
「店長やバイトの皆んなに『いったいどんな風にあのおじさんに注意したの?』と不思議がられたので、一部始終を話すと『たまたまおじさん客がシュンとして帰ってくれたから良かったけど、逆上して暴力でも振るわれたらどうするの?怒る気持ちも分かるけど、そういう時はすぐに電話をして店長を呼んで』と怒られてしまい、それもそうだなと反省しました」
「もしまた迷惑なお客さんが来た時は、今回の経験を活かしてもっと注意深く接しようと思いました。まぁできることなら良いお客さんばかり来て欲しいですけどね」と苦笑いする裕美子さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop