サングラスをかけた艶のある声の男性歌手といえば、井上陽水さんかCHAGEさんかと相場が決まっておりますが、ヒット曲の数で言えば、1970年代初頭から現在も一線で活躍する井上陽水さんに分があるでしょう。今回は、日本ポップス史を彩る井上陽水さんのヒット曲の数々を紹介します。

井上陽水の人気曲ランキングTOP15!

●プロフィール
・芸名:井上陽水(いのうえようすい)
・本名:井上陽水(いのうえあきみ)
・旧芸名:アンドレ・カンドレ
・生年月日: 1948年8月30日 (年齢 71歳)
・出身地:福岡県幸袋町
・血液型:AB型
・配偶者: 石川 セリ (1978年〜)
・デビューシングル:『人生が二度あれば』(1972年/*井上陽水として)

2018年にデビュー50周年を迎え、まだまだ現役バリバリで全国ツアーを敢行する井上陽水さんは、現在71歳です。1970年代のフォークシーンに彗星の如く登場し、その文学性豊かな歌詞、新鮮なメロディなど、たちまち多くのファンを獲得し魅了しました。

シンガーソングライターとして自演するステージももちろんですが、数々の名曲を他のアーティストへ提供したり、若手や異ジャンルとのコラボレーションにも積極的で、多方面に渡り活躍されています。

それでは、井上陽水さんの名曲をランキング形式TOP15で紹介します。

井上陽水の人気曲ランキング15位:夜のバス

1972年にリリースした井上陽水さんのセカンドアルバム『陽水II』に収録されたアルバム中屈指の名曲です。荘重なオーケストレーションで歌われる青春期特有の恋愛模様を壮大に歌い上げています。ゼロ年代の青春期を象徴するテーマとなった「セカイ系」を先取りするような世界観は、スケール感の大きな表現となって結実しています。

井上陽水の人気曲ランキング14位:5月の別れ

1993年、32枚目のシングルとしてリリースされた日本語の美しい名バラードです。情景が目に浮かぶようなイマジネーションに富んだ世界観の構築と、それを支える流れるようなメロディの優しさが、この歌の完成度を高めています。

当時44歳となった井上陽水さんの繊細な情緒を味わえる名作です。キリンラガーのCMで茶の間に浸透したことでも有名です。

井上陽水の人気曲ランキング13位:いっそセレナーデ

1984年にリリースした24枚目のシングルが代表曲『いっそセレナーデ』です。サントリー角瓶のCMでも使用され、このCMには井上陽水さんも出演されていました。80年代ジャパニーズシティポップスを代表する名曲でもあります。

のちに高橋真梨子さん、中西保志さん、布施明さん、大橋純子さんなど、日本を代表するシンガーたちにカバーされています。歌い手冥利につきる楽曲といえるでしょう。

井上陽水さんはこの『いっそセレナーデ』で、当時の人気歌番組『ザ・ベストテン』に初登場初出演を果たしています。

井上陽水の人気曲ランキング12位:少しは私に愛をください

1974年にシンガーソングライターの小椋佳さんによってシングルカットされたバラード「少しは私に愛をください」が、12位にランクインしました。この曲を井上陽水さんはカバーしていますが、小椋佳節ともいえるこの曲の魅力を、存分に引き出すように歌い上げています。

井上陽水の人気曲ランキング11位:恋の予感

1984年、安全地帯に歌詞を提供した「恋の予感」をセルフカバーし、ヒットを記録しました。玉置浩二さんの歌唱でも広く知られていますが、井上陽水さんの艶のある歌声を堪能できる本作は、80年代の名曲のひとつとして数えられています。

井上陽水の人気曲ランキング10位:Make up shadow

1993年、フジテレビドラマ「素晴らしきかな人生」の主題歌に使用され、この年の日本レコード大賞金賞を受賞した代表曲です。非凡なソングライティングテクニックを聞かせる90年代の名曲として知られています。

井上陽水の人気曲ランキング9位:白い船

1972年、井上陽水さんのデビューアルバム『断絶』の中に収録されたフォークソングです。「白い船」という象徴的なモチーフを印象的に浮かび上がらせ、不安な恋愛心理を描き出す井上陽水さんならではの世界観を味わうことができます。

井上陽水の人気曲ランキング8位:ワインレッドの心

1983年にリリースされた安全地帯のシングルで、この曲で安全地帯はブレイクを果たしました。安全地帯は井上陽水さんのバックバンドを務めていたことから、井上陽水さんは歌詞を提供しております。大人の危険な恋愛模様を描いたアダルトなムードが漂う色気のある楽曲です。

当初、井上陽水さんは、ヒット曲の出ない安全地帯のために作曲も依頼を受けたそうですが、これを拒否し、結局玉置浩二さんが曲を書くことになりました。

その後、井上陽水さんと玉置浩二さんは「夏の終わりのハーモニー」でデュエットを果たしています。

井上陽水の人気曲ランキング7位:夢の中へ

1973年、井上陽水さんの3枚目のシングルとしてリリースされた名曲『夢の中へ』が第7位にランクインです。印象的なイントロから始まり、小気味好いテンポで歌われるポップスは、天才メロディメイカー井上陽水の名声を一躍高めました。

単純で明るく親しみやすい楽曲は、井上陽水さん自身、この頃ヒット曲が出ず低迷気味であり、「みんなで歌える歌を作った」と言うように、世間への浸透を狙って作られた楽曲だったようです。結果、オリコンチャートでも最高位7位を記録し、自身初のヒットシングルとなりました。

その後、1989年には斉藤由貴さんのカバーでシングルカットされたことでも有名で、その他、様々なアーティストにカバーされ歌い継がれています。初出は小柳ルミ子さんが1974年『あたらしい友達』の中の収録曲としてカバーし、最近では2019年『井上陽水トリビュートアルバム』にて、槇原敬之さんがカバーしております。

井上陽水の人気曲ランキング6位:リバーサイドホテル

1982年、18枚目のシングルとしてリリースされたジャパニーズ・シティ・ポップスの名曲『リバーサイドホテル』が第6位にランクインです。日本のAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)の代表曲といってもいいでしょう。

当初リリースされた時点では、オリコンチャート最高位54位と振るわなかったものの、1988年にフジテレビドラマ『ニューヨーク恋物語』の主題歌として使用されたことから再発売され、ヒットに結びつきました。実に最初のリリースから6年を隔てて当たったのでした。時代を先取りした名曲であったということでしょうか。

「ベッドの中で魚になった後」という歌詞など、アダルティなムードがプンプンする色気たっぷりの楽曲です。

井上陽水の人気曲ランキング5位:心もよう

1973年にリリースした4枚目のシングルがこちらの『心もよう』です。鮮烈にシーンに登場したフォークシンガーの面目躍如とでも言うべき完成度の高い楽曲です。

これまで小柳ルミ子さん、森山良子さん、中森明菜さん、平原綾香さんなど、多くの実力派女性シンガーにカバーされてきた名曲で、40年以上経った今もなお、歌唱されることの多い楽曲です。

井上陽水の人気曲ランキング4位:お願いはひとつ

1982年にリリースされた10枚目のオリジナルアルバム『LION & PELICAN』に収録されている知る人ぞ知る楽曲です。井上陽水さんのメロディメイカーとしての懐の深さを見せるクリスマスソングです。

井上陽水の人気曲ランキング3位:夏の終わりのハーモニー

1986年に安全地帯の玉置浩二さんとデュエットで発表した名バラードです。作詞を井上陽水さん、作曲を玉置浩二さんが担当しています。

二人が共演を果たした神宮球場でのジョイントコンサート『スターダスト・ランデヴー井上陽水・安全地帯LIVE AT 神宮』(6万人動員・テレビ生中継あり)にて、はじめて公に発表されました。のちに安全地帯の12枚目のシングルとしてリリースされています。

井上陽水さんと玉置浩二さんの艶のある歌声が美しく添い遂げる絶妙なコーラスワークが聴きどころで、両者のファンにとっても思い入れの深い名曲として知られています。

井上陽水の人気曲ランキング2位:傘が無い

1972年にリリースした2枚目のシングルが「傘がない」でした。ファーストアルバム『断絶』からのシングルカットとして発表され、井上陽水さん初期の代表曲として知られています。

フォークソング全盛期に彗星の如くデビューし、沈鬱な重さをたたえたサウンドに乗せて、いきなり「自殺」というワードが飛び込んでくるというフォークソングならではの世界観を表現力豊かに歌い上げています。

この楽曲の背景には、歌詞からも読み取れるように学生運動が色濃く反映されていますが、リリースされた当時は学生運動も下火になりつつあり、社会的風潮はシラケのムードにありました。そのタイミングで、この歌に歌われる世界観「社会問題より、恋愛問題」というテーマは、まさに時代の空気にマッチしていたのです。

そんな世界観を背景に楽曲のムードは沈鬱に盛り上がっていき、君と僕との恋の行方について歌うという、のちの「セカイ系」を先取りするスケール感溢れる作詞世界が特徴です。

井上陽水の人気曲ランキング1位:少年時代

1990年に通算29枚目のシングルとしてリリースした井上陽水さん最大のヒット曲『少年時代』が堂々第1位にランクインしました。同年に公開された映画『少年時代』の主題歌でもありました。この曲は現在もカラオケソングの定番として老若男女に歌われることも多く、ロングセラーを記録した日本歌謡曲史に残るスタンダードとなっています。

郷愁を誘う日本情緒豊かな情景を歌い、みずみずしいサウンドに乗せて聞くことができます。イントロを聞いただけで歌の世界観が眼前に広がるような音楽の力を感じさせる歌です。

多くのアーティストがカバーしていますが、この楽曲の味はやはり本家である井上陽水さんの歌声でしか堪能することはできません。それぐらい楽曲とアーティストの結びつきが強固な作品としても白眉な芸術品であるといえます。