◆黒豆さんの余生を幸せなものにするために
しかし、亡くなった飼い主さんやその環境を憂いていても、これからの黒豆さんの余生が幸せになるわけではありません。
団体ではできるだけ前を向いて黒豆さんのお世話を続けることにしました。
黒豆さんは、お日様を浴びながらの遊びが大好きで、天気の良い日は預かりボランティアさんの家の庭に出てニコニコ笑顔を浮かべながらくつろぎます。
ただし、今年の夏の「危険な暑さ」の中でも気にせず庭で過ごしていたため、夏バテ気味となり、部屋に戻って床の上でベタ付きで寝るようにもなりました。
黒豆さんの夏バテ具合は心配ですが、いっさい不安なく寝ている様子を見ると、黒豆さんが「この家で過ごすの、悪くないな」と思ってくれているようにも映り、嬉しく思う預かりボランティアさんでした。
◆「ずっとの家族」との出会いを待ち続ける
黒豆さんは今日もこの家で過ごしながら、「ずっとの家族」との出会いを待ち続けています。
今のところまだ「うちの子として迎え入れたい」という申し出はないものの、黒豆さんのこの穏やかな性格、人懐っこさなら、遠くない時期に縁が結ばれるようにも思います。
預かりボランティアさんは、こんなにかわいい黒豆さんが、幸せな余生を送れる環境が見つかることを望みながら、今日ものんびり穏やかにお世話をし続けています。
<取材・文/デコ女子部>
【デコ女子部】
編集プロダクション・decoの女子部門。30~40代の男女の編集・ライターにより執筆