日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧小牛田町(美里町)を写真とともに紹介する。
Vol.315/宮城県旧小牛田町(美里町)
旧三本木町から東へ進み、旧小牛田町へやってきた。
小牛田という名前を最初から読める人は、すごいと思う。以前、小牛田駅で乗り換えをしたことがあって、降りたときに、「何て読むのだろう?」とクイズが始まった気がした。
「コウシダ…? いや、コギュータ!?」
正解は「こごた」なわけだが、「ご」が「午」ではなく「牛」であることも、地名の面白さである。
今回もあらためて小牛田駅へ訪れてみた。少し周辺を散策すると、駅前の商店街らしい景色が広がっている。JRの東北本線、陸羽東線、石巻線・気仙沼線と複数駅の乗り継ぎ駅になっているため、利用客も周辺の駅の中では多いように感じられた。
そして、山神社という神社へ向かうと、露店でコーヒーを売っていたお母さんと仲良くなった。とても品のある方だった。ぼくも椅子に座らせてもらって、アイスコーヒーを入れてくれて。1on1のお茶タイムである。お母さんは隣の旧南郷町の出身で、茶道の話をしたり、旅の話をしたり。ささやかでありながら、すごく良い時間だった。神社も清々しい良い場所だったけれど、あの人とここで出会ったなあという思い出は、土地への思いをより強くしてくれる。