ただ、斉藤側にも言い分はあるようだ。

 報道後、妻でタレントの瀬戸サオリは自身のSNSで「関係者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません」と謝罪した一方、「この件で性的暴行と報道されておりますが一部事実と違う報道がされております。不同意ということでお相手の方が被害届を出しているとお聞きしておりました。事実関係としましては、相手の方からも行為がありSNSをフォローしたり連絡先を交換していたことは事実で、こちらとしましてはロケバスの中のドライブレコーダー及びカメラの解析を警察の方に求めていました。一方的な行為ではなかったことを伝えている状況でした」などと“反論”している。

 一方、斉藤のメディア報道における「呼称」もネット上で話題となった。NHKや日本テレビ、TBSは「斉藤慎二メンバー」、テレビ朝日は「斉藤慎二氏」、フジテレビや読売新聞は「斉藤慎二容疑者」、時事通信は「斉藤慎二さん」、複数のスポーツ紙は呼び捨てで「斉藤慎二」と、各メディアで呼称がまったく異なっているからだ。

 これについては、マスコミ業界の慣例が関係している。書類送検は「逮捕」に比べて刑事処分が軽くなる傾向があるなどといったことを鑑みて、人権への配慮として「容疑者」という呼称が基本的に使われないのだ。場合によっては匿名で報道されるケースもある。

 また、各テレビ局などの内規には「書類送検で実名報道する場合は肩書きをつける」という取り決めがある。「さん」「氏」といった敬称が使われることもあるが、今回は事件の深刻性など踏まえ、一部のメディアしか使用しなかったようだ。結果、斉藤がお笑いトリオのメンバーであることから、一般の感覚からすると不思議な「斉藤メンバー」呼びとなったメディアが多くなったとみられる。ただ、フジテレビや読売新聞は「斉藤容疑者」としており、慣例は絶対的なものではなくなったようだ。

 「メンバー」呼びについては、2001年に当時SMAPのメンバーだった稲垣吾郎が道路交通法違反と公務執行妨害の容疑で逮捕された際に各メディアが「稲垣メンバー」と呼び、書類送検でもないのに「容疑者」という呼称を使わなかったことで物議を醸した。今となっては大手事務所への「忖度」だった可能性が高いとみられているが、斉藤についても呼称がバラバラとなったことで視聴者から「忖度」を疑われる事態になっているようだ。