兵庫県の斎藤元彦知事が9月26日に会見を開き、「失職、出直し選挙」する方針を表明した。

 職員へのパワハラ疑惑などで告発された問題により、県議会から不信任を議決され、動向が注目されていたが、辞職、解散ではなく県民に信を問うことを決断。選挙は11月中旬までに行われる。

「斎藤氏は記者から選挙の大義を問われ、『県立大無償化を含めて若い世代への施策をもっと充実させたい。そのためにはこれからも改革が必要だ』と説明しましたが、県民からは冷ややかな視線が向けられています。2021年の兵庫県知事選で自民党と日本維新の会の推薦を受けて初当選しましたが、次の選挙は無所属での出馬となり、玉砕覚悟の戦いとなりそうです」(週刊誌記者)

 いばらの道を選択した斎藤氏。一部では「斎藤氏有利」という報道もあるが、仮に選挙に敗れて失職したとしても、将来の展望は意外にも暗くなさそうだという。

「7月7日の東京都知事選挙で、現職の小池百合子氏に敗れたものの、2位と健闘し注目を集めた前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏は、その後テレビ番組への出演オファーが殺到。情報番組だけでなく、深夜のバラエティ番組『オールナイトフジコ』(フジテレビ系)にまで登場していたほどで、選挙後には公式Xのフォロワー数は7万人、YouTubeチャンネルの登録者数は2万人ほど増えていました。斎藤氏は石丸氏ほど“支持者”がいないため、地上波では使いにくいと思いますが、ABEMAなど配信系の会社は強い関心を示しているといいます。斎藤氏本人も『政治評論家』の肩書に興味を持っているといい、次の選挙に備えている石丸氏の“後釜枠”として、番組需要が増していくのでは」(テレビ関係者)

 また、斎藤氏に興味津々なのは出版界も同じだ。

「若者層の紙離れで雑誌は壊滅的ですが、書籍、それも“自己啓発本”のジャンルはアイテムによってはまだビッグヒットが望めます。どれだけ叩かれても、どれだけ辞めろと言われても知事の座に居座り続けようとした斎藤氏ですが、逆にその『鋼のメンタル』が注目されることとなりました。その強心臓ぶりだけは世間も認めるところで、もし彼が『諦めない力』とか『鋼のメンタルの作り方』といった著書を出せば大いに話題になるはず。どの出版社も経営は苦しいはずですから、虎視眈々と狙っている編集者は少なくないでしょう」(前出・週刊誌記者)