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リアルな記録映像として流れる放送事故動画によって、超常現象の脅威と恐怖に対峙させられる、デヴィッド・ダストマルチャン主演の最新ホラー映画『悪魔と夜ふかし』 が10月4日(金)より日本公開

『悪魔と夜ふかし』あらすじ

1977年、ハロウィンの夜。テレビ番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック・デルロイは生放送でのオカルト・ライブショーで人気低迷を挽回しようとしていた。
霊聴、ポルターガイスト、悪魔祓い…怪しげな超常現象が次々とスタジオで披露され、視聴率は過去最高を記録。しかし番組がクライマックスを迎えたとき、思いもよらぬ惨劇が巻き起こる…。

レビュー本文

“ホンモノ”の質感と、ほどよいB級感

今作は「ファウンド・フッテージ・ホラー」のひとつ。アメリカなら『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)、韓国なら『コンジアム』(2018年)、日本でも今年「イシナガキクエを探しています」が話題に上がるなど、フィクションではあるものの“本物”の記録動画かのように映し出される映像に没入して楽しめるファウンド・フッテージ・ホラーにはコアなファンも多い。

今作も70年代後半の深夜に実際に放送された“放送事故”の記録として、超常現象に人々が戦慄する様子に没入することができる作品だ。本物の記録映像のようなビデオ画角と、解像度の低いザラザラした映像のレトロな質感は実際に数十年前のビデオテープを再生している気分にさせ、スタジオにいるバンドの生演奏や効果音、大きくリアクションを取る観客や“客いじり”など、アメリカのトークショーらしい演出は「本当に当時こんな番組があったのではないか」という気分にさせてくれる。

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その上で、演出には“ほどよいB級感”が漂っており、若干粗いCGや特殊メイクは“番組としてのリアルさ”というより“70〜80年代の映画の手触りとしてのリアルさ”が感じられる。超常現象の演出を見せるまでに“番組としてのリアルさ”は散々追求して没入させているため、超常現象以降は大ぶりな演出で揺さぶる方向にシフトチェンジしても作風がブレないというところも今作の巧みさだろう。