3年連続セ・リーグ最下位に終わりそうな中日ドラゴンズ。この間指揮した立浪和義監督は先日今シーズン限りでの退任を発表した。
球団OBは次のように語る。
「球団側はクライマックスシリーズ進出が完全に消滅した時点で、契約を更新しない旨を伝える準備をしていたそうです。自ら辞めると発表するなら最終戦まで黙っていてもよかったのでしょうが、“不穏な空気”を察知したため先手を打った格好で、自尊心が強い立浪監督らしい最後の抵抗だったと思います。ただ、事前に聞かされていなかった球団関係者は発表当日、ベンチ裏で右往左往しながら関係者に連絡していたとか。もっとも現場では退任発表を冷ややかにみていた選手もいたようです」
さりとて、ミスタードラゴンズとして選手時代から人気者だった立浪監督が失脚したダメージは大きい。
「立浪監督だから応援すると名乗り出た地元スポンサーも多く、彼らが一斉に手を引くことも考えられます。チームそのもので言えば、ここ10年で3位以上のAクラスに入ったのがわずか1回のみ。そんな球団に地元スポンサーは魅力を感じていないということでしょう。次の監督はスポンサーが減った状況でロクな補強費の捻出も見込めない“兵糧攻め”のようなチームを任されるという厳しい状況です」(同)
次期監督候補は井上一樹2軍監督、球団OBで評論家の山本昌の2人に絞られている。
「近日中に球団は、親会社の中日新聞社の承諾を得て候補者を一本化する見通し。順調に交渉が進んだら10月6日の今シーズン最終戦直後には新監督を発表する流れとなりそうだが、問題はコーチ人事に尽きる」(同)
しかし、中日は長きに渡って派閥抗争が絶えなかった。
「昔は星野仙一派かそれ以外、現在は立浪派か中日、楽天で4番を打ってホームラン王になった山崎武司派に割れています。現在コーチとして集められているのは立浪派の面々ばかりで、オフには総辞職する可能性もある。中には有能なOBもいるのですが山本昌氏は山崎派のため残ることは難しい。言ってしまえば政治の世界と同じで、派閥人事がずっと横行しているため中日は戦力がなかなか上がらないという事情を抱えているのです」(同)