「京都の伝統文化と世界を繋げる」を企業理念に、非公開寺院の特別公開やワンランク上の京都の文化体験を企画・運営する京都春秋は、大河ドラマで話題の紫式部ゆかりの地である大徳寺塔頭「真珠庵」の3年ぶりとなる特別公開を、9月20日(金)~12月8日(日)の期間開催している。また、今年から初めて、境内の一部で写真撮影ができるようになった。

「真珠庵」について

臨済宗大本山大徳寺の塔頭真珠庵は、とんちで有名な一休さん・一休宗純和尚を開祖として、一休和尚が亡くなった10年後の延徳3年(1491)、堺の豪商・尾和宗臨によって建てられた。大徳寺中興の祖である一休宗純ゆかりの寺院であることから、大徳寺において特別な位置を占める。

『源氏物語図屏風』を初公開

初公開『源氏物語図屏風』(左隻)

初公開『源氏物語図屏風』(右隻)

今回、初めて特別公開されるのは17世紀の作品『源氏物語図屏風』。

樹木などに見られる筆触を生かした描法は狩野派的である一方、人物描写には土佐派的な要素も認められ、両者の画風を折衷したような町絵師特有の様式を見せる。

書院「通僊院」と茶室「庭玉軒」も公開

また、重要文化財の「書院 通僊院(つうせんいん)」「茶室 庭玉軒(ていぎょくけん)」、史跡名勝の方丈東庭「七五三の庭」、通僊院庭園も公開される。


書院「通僊院」と茶室「庭玉軒」は、1638年に正親町天皇の女御の化粧殿(けわいどの)を移築したもので、通僊院と称せられている。戦国時代の医師、御典医の半井瑞策が拝領し、真珠庵に寄進したものだ。


国の名勝および史跡に指定されている方丈東庭は、通称「七五三の庭」と呼ばれる。一休宗純に参禅した侘び茶の祖、村田珠光の作庭と伝わるという。

6名のクリエイターが手掛けた方丈襖絵を展示

2018年に約400年ぶりに方丈に新調された襖絵は、4年ぶりの公開になる。コンセプトは一休さんゆかりの寺院ということから「なんでもあり」。