◆許せる不倫と許せない不倫がある
それからすぐ、彼女は子どもを連れて家を出た。夫は彼女の夫から訴えられたそうだ。今になって考えると、不倫にも「許せる不倫と許せない不倫がある」とナオミさんは言う。
「衝動的に一夜の関係を結んでしまったとか、そういうことなら私は許したと思うんです。でも結婚前から続いていた関係で、バレてからもほとぼりが冷めたらまたつきあって、バカみたいに結婚式のような写真まで撮ってるなんて、あまりに人をバカにしてる。妻を見下したような不倫は、やはり制裁を受けたほうがいいんです」
今、11歳になる娘とふたりで暮らすナオミさん。仕事をしながら子育てをするのは大変だが、同居する母親の協力を得ながら、精神的にはのんびり自由な生活をしていると笑顔を見せた。娘に元夫の話はほとんどしていない。元夫は会社を辞めたらしく、行方がわかっていないが、もし娘が会いたいと言ったら「探すしかないでしょうね」と彼女は淡々と言った。
<文/亀山早苗>
【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio