歌手としては順調とは言い難い状況だが、一方で女優業の評価は高い。2022年のテレビ朝日系ドラマ『六本木クラス』、昨年放送されたフジテレビ系ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』はいずれもメインキャストとして出演し、視聴者からの評判がよかった。

 そのため、ネット上では「せっかく女優として評価が高まってきたのに、なぜまた歌手売りなのか」「今度は歌手路線?俳優は分からなくもないけど…歌のほうなんてほぼ実績ゼロからじゃない?」「女優がしたいのか、歌手がしたいのか、ダンスなのか、どれが1番の路線か分からなくなってるような」などと否定的な声が相次いでいる。業界内でも、先述の売上データを基に「歌手路線は難しいのでは」との見方が強いようだ。

 女優路線については、前事務所が積極的にゴールデン・プライム帯のドラマの仕事を入れるなど充実していたはずだが、本人の希望と異なっていたために契約終了となった可能性がある。歌手路線が平手の希望に沿ったものだとすれば、音楽系事務所であるクラウドナインに移籍したのもうなずけるが、それが成功するかどうかは不透明な状況だ。

 先述したように女優としての評価は高まっていたが、最近は同じ「山口百恵のような昭和アイドルの香りがする若手女優」として河合優実が台頭し、女優路線も厳しくなっていたと見る向きもある。実際、平手はサントリーコーヒー「クラフトボス」のCMに出演していたが降板し、現在は河合がその穴を埋めるかのように同CMの出演メンバーに加入した。

 そういう意味では、歌手路線は彼女にとって「背水の陣」といえるのかもしれない。どのように平手を歌手として売り出していくのか、新事務所の手腕に注目だ。