ヤンキーの元カレ
◆彼氏の危機に助けを呼びに学校へ

 実際、元カレの怒りの矛先は彼氏に向いており、「コイツ(彼氏)に用事があるから今日は1人で帰れ」と佐智さんに言ってきます。それでも彼女はしばらく動かなかったそうですが、優しい笑みを浮かべる彼氏から「僕は大丈夫だから」と促され、後ろ髪を引かれる思いでその場から離れたそうです。

「このままじゃ彼氏が危ないと思った私はダッシュで学校に戻り、部活の練習中だった彼氏の親友に助けを求めたんです」

 話を聞いた親友もこれには驚き、一緒に急いで現場へ急行。でも、この親友は「相手のヤツ、マジでヤバいかも」となぜか元カレのほうを心配していました。

「普通、この状況だったら彼氏を心配するはずじゃないですか。それで気になって聞いてみたら『アイツ、全然ひ弱なんかじゃないんだよ』って。腕っぷしが強そうなタイプには全然見えないし、ケンカとは無縁そうな人に見えたから正直信じられませんでした」

 しかし、いざ現場に戻ってみると元カレが路上にうずくまり、それを見降ろすように立っている彼氏。親友が「オイ、さすがにやりすぎだぞ!」って詰め寄ると、「本気は出してないって。ちゃんと手加減したし」と傷ひとつない顔で答えたといいます。

◆実は、格闘技マニアだった彼氏

拳
「私が戻ってきたことで気まずそうな表情をしていましたが、無事だったので私はホッとしました。むしろ、元カレのほうが鼻血を流していたので心配でした。未練とかは全然なかったですけど、一応前に付き合っていた相手でしたからね」

 元カレは「大丈夫?」と差し伸べた彼氏の手を払い、「覚えてろよ!」とチンピラのようなセリフを吐いて逃げていったとか。結局、元カレとはそれっきりで彼女の前に再び姿を見せることはありませんでした。

「この後、彼氏に子供のころから格闘技が大好きで空手やキックボクシングを習っていて、受験勉強に専念するために一時的に通うのを控えているって話を聞きました。