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ホアキン・フェニックス主演の衝撃作『ジョーカー』の続編が、レディー・ガガを共演に迎えてついに帰ってくる。10月11日(金)に日本公開となる“ジョーカー2”こと『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は、ある意味では前作にも増した驚きと混沌を与えてくれる1作だ。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』予告編
レビューあらすじ
理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったジョーカー。彼の前に突然現れた謎の女リーとともに、狂乱が世界へ伝播していく。孤独で心優しかった男の暴走の行方とは?誰もが一夜にして祭り上げられるこの世界-彼は悪のカリスマなのか、ただの人間なのか。ジョーカーは一体誰なのか?衝撃のラストに備えよ。
レビュー本文
さらに人格が揺らぎ、混乱するアーサーの「劇」的イマジネーション
前作では過酷な日々の中、自分の内側で現実逃避を行っていたアーサー(ホアキン・フェニックス)だが、前作の事件により注目され、一挙手一投足が奇妙な影響力を持ってしまっている。そのため、今回のアーサーは自分の内側にあった世界観を外に広げようとしたり、広げざるを得なくなっていたりする節があり、それによって彼の人格・アイデンティティにさらなる揺らぎ・混乱が生じてしまっているのだ。
さらに、そこにアーサーの純粋な心を乱す“謎の女性リー”(レディー・ガガ)が現れることで彼は余計に判断力を失い、よりその脳内世界がより現実と乖離(かいり)していく。冒頭から傘の色で示される通り、現実(淡々としていて無機質)と妄想(ゴージャスでカラフル)の境界線はしばしば崩れ、妄想のレベルも前作とはケタ違いだ。
ヒロイン役には圧倒的な存在感を放つレディー・ガガを加え、ところどころでその歌唱力を活かしたミュージカル的なエッセンスが加わったことで、その想像の世界の彩りには広がりが生まれ、さらなる「劇」色が見られるのも今作の特徴である。(ちなみに、劇中で引用・オマージュとして大きく取り上げられる映画は『バンド・ワゴン』(1953)。予習に鑑賞するなら今作をオススメしたい。)