共立女子大学博物館は、9月30日(月)~11月30日(土)の期間、2024年度秋季企画展「滑稽にして洒脱-狂言装束の魅力-」を開催する。

「滑稽にして洒脱-狂言装束の魅力-」について

狂言は、能の合間に行なわれる芸能で、軽妙さに特徴を持つものだが、その装束に注目すると、美意識の方向性において能装束との大きな違いが感じ取れる。唐織や金襴、縫い取り織などの紋織物の生地で仕立てられることが多い能装束とは対照的に、狂言装束においては、麻や平絹といった平面的な生地にもっぱら染で模様が平面的に表現される点を特徴として指摘できるという。

主に下級武士や庶民的な人々の日常的な出来事を軽妙な動きで描写する狂言は、そもそも出発点から芸能として表現しようとするものが能とは異なる。特に素襖や長裃には、型染によるしゃれた反復模様が多く見られ、また半袴と組み合わせて用いられる肩衣には、観客の意表をつくような大胆奇抜な模様や可笑しみを誘うような模様が多く見られるという。

「滑稽にして洒脱-狂言装束の魅力-」では、表情豊かな狂言面と合わせて、洒脱な表現が心を和ませてくれるような狂言装束が展示される。


同展では「茶麻地鳴子模様肩衣 江戸時代・19世紀」や、


「浅葱麻地丸紋散らし模様半袴 江戸時代・19世紀」も見ることができる。

ワークショップやギャラリートークを開催

会期中のイベントとして、「狂言に親しもう-参加型ワークショップ-」を月26日(土)14:00~15:30に開催。

狂言師の中村修一氏・内藤連氏・飯田豪氏(万作の会)が講師となり、共立女子大学神田一ツ橋キャンパスで対面形式で行われる。同イベントは、事前予約制で定員30名だ。共立女子大学博物館HPから申し込もう。

また、10月30日(水)と11月13日(水)には、同館学芸員による作品解説が聴けるギャラリートークを開催。時間は、各日12:50~13:10で20分程度を予定。事前申し込みの必要はないので、参加希望者は開始時間に展示室に足を運ぼう。