◆“飾らない俳優”の鑑
そう、向井理は“飾らない俳優”なのだ。川口春奈主演ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系、2021年)で演じた葉山祥吾役は、ビジネスの才覚鋭い敏腕経営者であり、良いものを見極めるキュレーターとしても優れている。
世界各地を飛び回り、ほとんど会社を留守にしているのに社員からの人望は厚い。自分の主張を強要することもなく、いい発想や意見があれば役職問わずどんどん取り入れる。
葉山の着飾らない自由なスタイルは、確かな教養の持ち主である証だし、向井に自然と馴染む役柄だった。向井は着飾らない俳優の鑑のような存在だが、こうした系譜にはもうひとり重要な高学歴イケメン俳優が連なる。
◆負けず嫌いな山P精神
向井と同じ明治大学出身の山下智久だ。商学部に通っていた彼がどれだけイケイケだったか。入学理由については、やはり向井同様に『徹子の部屋』が参考になる。
1996年、11歳でジャニーズ事務所に入所した山下は、高校卒業のタイミングで進路を迷っていた。デビューするか、しないか。あるいは大学へ進学して将来の安定にベットするのか。同番組で当時の心境を振り返った。
生来の大スターであるはずの山Pでも等身大の葛藤を抱いていたのだ。高校の先生から明大は無理だろうといわれ、負けず嫌いを発揮した山下は見事合格する。
負けず嫌いでがむしゃらな山P精神。着飾らない俳優の系譜だ。2019年の卒業式にはOBとして飾らないけれど、力強い祝辞を送ってもいる。