◆ひるなまは次回作の構想を練っていた
妻が、抗がん剤の化学療法を継続しながら『元気です』を描き上げたのは、並大抵のことではありません。そんな中でも、病気に悩み、苦しみ、心身傷付いた方たちのことを妻は自分ごととして捉え、慰めや、励ましや勇気、経験談を届けたくて描いていたはずです。
そして妻が、闘病中の大部分の期間を、笑顔の中で私と暮らせたのは、『元気です』という作品を描きあげた達成感や自己肯定感、届けたいことをたくさんの方に届けることができた充実感を通して、生きる実感を得ていきいきと過ごすことができたからです。これは断言できます。
妻が旅立ってから、「妻の生きがい」であった皆様に対し、私から何か返せるものはないのだろうか。そんな思いが日増しに大きくなっていきました。また、妻は、次回作についても構想を練(ね)っていました。妻も、まだ伝え足りないことがあったのです。『元気です』完結後の生活についても、同様です。実際に話してくれましたし、メモにも残っています。