夜光虫写真の言い訳
 絶対に何か隠している! と確信した友梨奈さんは、何か決定的な証拠を見つけなければと考えます。

「パソコンから夫のクレジットカードの履歴を見てみようとアクセスしてみたんですよ。パスワードが分からないので、夫の誕生日や、応援している野球チームと推してる選手の背番号を合わせてみたりと試行錯誤し、結局は実家で飼っている犬の名前でビンゴ! でしたね」

 ようやくログインしてみると…。

◆浮気のおわびに夜光虫みたいなサファイヤの指輪を

「やっぱりその日に、ジュエリーショップでの買い物と、ホテルでの支払いの履歴が残っていました。それを見せながら問い詰めると、ようやく白状しましたね」

 実はNさん、会社の部下と不倫をしていて…彼女の誕生日に指輪をプレゼントし、湘南の海の見えるホテルに泊まったら、たまたま夜光虫が大発生したのだとか。

「夫は土下座しながら『彼女とは別れるし、もう絶対にこんな事しないから!』と謝ってきましたが…あんまりムカついたんで、土下座している頭を思いっきり踏んづけてやりましたよ」

 あまりの事に、しばらくNさんが話しかけてきても無視し続けていた友梨奈さんでしたが…。

青いサファイアの指輪
「まぁ、反省している様子だったので…不倫相手にあげた指輪の倍の値段の指輪をプレゼントしてもらうことで、とりあえず許してあげることにしました」

 ですが、今でも一緒にテレビを見ている時に海が出てくると気まずい空気が流れるそう。

「この屈辱は一生忘れませんよ…だからそんな意味もこめて夜光虫みたいに綺麗なサファイヤの指輪を買ってもらおうと思っています」

 夜光虫に遭遇するというレア体験が、まさか不倫バレの引き金になってしまうなんて…。

 もし、夫婦で見ることができていたら素敵な思い出になっていたかもしれないのに、悲しいですね。

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】

漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop