◆女性だけでなく、男性ならではの生きづらさも描く
また一方で、朱里からの好意に気づきながらも「友だち」という言葉で縛り、向き合うことから逃げてきた朱里の同級生・進吾(しんご)。そして、朱里のことを狙うチャラい広告マン・小西も、男性ならではの生きづらさを抱えています。朱里と小西の恋が「上手くいくのか?!」と思ったら、急に小西と進吾がふたりで男飲みすることになるなど。「えっ! そっち?」と、ありそうでなさそうな展開には驚かされます。そこが面白い。
人間は生きているだけで、さまざまな「想定外」に見舞われるものです。年齢を重ねても、そんな時はうろたえるし、自分の思うように世界は回らない。そんな大人たちのリアルな「ままならない」を、コミカルに、何より愛をもって描いている作品なのです。