◆親捨てワークで見方を変える

――親からの自立、という相談ですが、まずはどうすればよいでしょうか?

三凛さとしさん(以下、三凛)「父親のモラハラや暴力はつらいと思いますが、見方を変えれば、相談者さんはとてもありがたい環境にいるとも言えるかもしれません。常に住む家と食べる物がある環境は、実はとても恵まれた状況。それに気づくことで、もしかしたら仕事など人生でうまくいかないことを、親のせいだと結びつけてしまうクセに気づけるかもしれません。

いずれにしても、父親のせいにして後ろ向きに生き続けてしまうなら、まずは“親捨て”をすることから始めましょう」

――「親捨て」とは、どうすればよいのでしょうか?

三凛「『親捨てワーク』というワークがあります。このワークをすると、1つの状況を違う面からとらえることができるので、今まで最悪だと思っていたことが、実は人生のギフトだったと気づけます。つまり、認知を変えるワークです。

例えば、『お前は何もできない』と父親から言われたという事実を、別の方向から捉えると、父親はののしったのではなく、厳しい言葉で娘を叱咤激励したとも考えられます。

また、そもそも、実家にずっと住まわせてくれて、ご飯を作って食べさせてくれる環境は、実はすごく親に愛されているとも考えられますよね。このように、親捨てワークでは、実際に起きたことからメリットを見つけていきます。

同じ出来事も、見方を変えることで親の愛に気づけて、ネガティブに捉えていたことも、問題視しなくなります。そして恨みも薄れていくので、親への執着も弱くなり、両親と離れ、自分の責任で人生を生きていけるようになるでしょう」