予想は外れるものだが、6頭立てのレースでここまで外すのもなかなか酷い。もっとも、解説者の順位予想は、そのまま鵜呑みにするものではないという。

「解説者にとって順位予想は厄介な仕事です。戦力を冷静に判断して順位をつけようにも、古巣を最下位にするわけにはいかないし、自分が世話になった恩師や先輩が監督を務めるチームに低評価をつけるのもマズい。ほとんどの解説者は現場に戻りたいわけで、将来自分をコーチなどに呼んでくれそうな人がいるチームには当然、忖度が働きます。

 どこで仕事をしているかも重要です。全国区のスター解説者は素直に順位予想すれば良いですが、地方がベースの解説者は地元チームを1位に置かざるを得ない。実際、達川光男は今年、巨人を1位に予想したら、地元・広島でファンから猛烈に野次られたと話しています。

 さらに、当たり前の予想をしてもつまらないという意識も働きます。当てるのが目的なら、前年の優勝チームを機械的に1位にしておけば大ハズレはない。しかし、それでは何の面白みもないので、明らかに“逆張り”する人も見受けられます。根拠さえしっかりしていれば1つのエンタメとして成立しますし、万が一予想が当たれば名前は高まる。要するに、誰もが本気で当てに行ってはいないということです」(前出・スポーツ担当記者)

 そこまで頭に入れたうえで、今年西武を1位予想した解説者の来年の順位予想を見ると、さらに面白いかもしれない。