◆「オブラート」の言葉が笑える。人は正直であるべきか?

一方のすん止め女・ほのかは、つきあっている男に遊園地デートに誘われて舞い上がっていた。ところが3時間待っても男は来ない。

すっぽかされたと気づいたのは遊園地が閉園するとアナウンスがあったころ。頭に来て、マッチングアプリで2位の男と待ち合わせてしまう。この男・隼斗(中川大輔)が、軽いけど鋭く本質を見抜く目があって、なおかつ正直なのがおもしろい。

口から先に生まれてきたようなほのかに「あんた、オブラート持ってないの?」と言わせるほど率直なのだ。何でも言いたいことを言っているように見えるほのかだが、実際は気を遣い、バランスをとりながら生きているとわかる。

すっぽかされたことを愚痴(ぐち)るほのかは、隼斗に共感を求めるが彼は「一方の意見だけじゃわかんないなあ」とつぶやく。

ほのかは「あんたね、女が愚痴ってるときは、そうだねそうだねって肯定だけしてればいいの。本心なんて裏側でつぶやいてればいいの」と言う。すると隼斗は「そういう男が好きだから、そういう目にあうんじゃないの?」と至極(しごく)まっとうなことをいうのだ。

ほのかのダブルスタンダードが打ち砕かれていくが、正直すぎる隼斗に、ほのかは腹を立てながらもどこか惹かれ、一夜をともにしてしまう。