19日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で放送される「芸人ドラフト会議」。MC芸人たちが、自身がMCを務める架空のトーク番組に呼びたい“ひな壇ゲスト”をプロ野球のドラフト形式で選出し、そのラインナップを競うという企画だが、回を追うごとに業界内での注目度が高まっている。
というのも、この企画は現役のMC芸人たちがそれぞれ自身の共演経験や独自の視点によってタレントを選んでいるため、バラエティ界ではまだ注目されていない新たなスター候補や影の実力派芸人が指名される“サプライズ指名”がしばしば発生し、実際にその後、露出を増やすというケースが続出しているのである。
21年3月放送回では、麒麟・川島明が当時NMB48に所属していた渋谷凪咲を4位指名。渋谷は地元の関西でこそバラエティに呼ばれていたものの、東京ではほぼ無名の存在。だが、川島はそんな渋谷を「大喜利が強い」「反射神経と、いつでも応える姿勢」とそのバラエティ能力を絶賛。その後、渋谷は在京のバラエティにも進出し、わずか半年後にはテレビ朝日系の「バラバラ大作戦」枠で冠番組『~凪咲と芸人~マッチング』をスタートさせている。
また、同じ回で有吉弘行は2位に蛙亭・岩倉美里(現・イワクラ)、4位にウエストランド・井口浩之、6位にアルコ&ピース・平子祐希を指名。蛙亭は半年後の同年10月に放送された『キングオブコント』(TBS系)で初のファイナル進出。ウエストランドは翌22年末の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で優勝することになるが、当時は2人とも全国区のタレントとは言えない存在だった。平子と有吉は同じ太田プロダクションの所属でラジオ番組での共演も多く関係性は深かったが、その後の平子のブレークを見れば、有吉はその資質を見抜いていたことになる。
過去を振り返ってみると、09年に有吉とロンドンブーツ1号2号・田村亮から1位指名されたブラックマヨネーズ・小杉竜一、10年に博多大吉から、11年に千原ジュニアと有吉から1位指名を受けたフットボールアワー・後藤輝基、同じ11年にその後藤から3位指名された千鳥ノブと、「芸人ドラフト会議」から時を空けずしてゴールデンのMCに定着していった芸人は数多く存在する。