「勝負の9月」と位置付けてセ・リーグ2連覇を目標に掲げている阪神タイガース。9月に入った途端、上位チームを猛追して優勝も現実味を帯びてきている。
球団OBが語る。
「8月までは自慢の投手陣が打ち込まれてしまい、劣勢の試合が多かった。かといって打線も元気がなく、特に佐藤輝明は攻守に精彩を欠いて岡田彰布監督が激怒することも珍しくなかった。歯車が完全に狂った状況の中でセ・リーグでは広島がひとつ頭を抜け出したような形になっていた。周囲も『連覇はやっぱり難しい』と諦めかけていましたね」
しかしながら8月31日の巨人戦から9月6日のヤクルト戦まで6試合で5勝1敗。打線が目を覚まして得点力も急上昇している。ファンの間では昨年の流行語大賞となった岡田監督の“アレ”と連覇の組み合わせである「アレンパ実現か!?」などと期待感が強まっている。
一方でチームを指揮する岡田彰布監督の去就についての情報が「全く漏れてこない」と前出OBが語る。
「基本路線としては、当然のことながら“来シーズンも続投”。だが、その前段階として岡田監督と球団が話し合いの場を持たなければならないはずだが、動いた形跡が見当たらない。昨シーズン日本一になった監督なので簡単に切ることができないのは当然ですが、高齢で体調問題も抱えている。それらを考慮してフロント入りすることも考えられるのです」
情報漏えいが多く「口が軽い関係者が日本一多い球団」とマスコミの間では認知されている阪神で、これほど去就問題が漏れてこないこと自体、異常とも言えるだろう。
「本来であれば、まず球団幹部が来シーズン以降岡田監督にチームを任せたいかどうかをまず決めて、本人の意思確認をする。その上で成績を加味して最終決断をするんです。しかし、今回は監督の意図がまだよくわかっていない。後任に監督の座を譲りたいのか、もう1年ユニホームを着るのか。10月にはドラフト会議が控えており、その前後には来シーズン構想外となった選手に通告をしなければいけないが、そこには現場責任者の意見、承諾が必ず必要になってくる。来シーズンの現場責任者が決まらなければ全てが後手に回るのでかなり厳しい状況になる」