なんやかんやで母校の室内練習場で再会した手嶋刑事と犯人の同級生。いろいろ説得して、同級生は自首することにしました。

 犯人が手嶋を襲ったのは偶然だったそうです。拳銃を奪おうとした際、相手が手嶋であることに気づいた犯人は手に持っていた鉄パイプを材木に持ち替えたこと、現金輸送車を襲おうとした際に、手嶋の拳銃を使うと迷惑がかかると思い、躊躇したことなどが語られました。

 そして最後に犯人は「拳銃は2丁あった」と言い出したのです。弟分を撃った拳銃はすでに川に捨てていて、手嶋の拳銃は一発も撃ってない。となると、いろいろ全部のつじつまが合わないんですが、まあなんかみんな感動してるし別にいいのかな。ミステリーの根本を美談めいたセリフの応酬で圧し潰す。これもまた、このドラマの特徴です。

■遺族に帰せよ

 さて、身元不明の遺体だった弟分についてですが、いよいよ扱いがぞんざいになってしまいました。今回、阿部亮平についてのエピソードをたくさん描きたかったのでしょう。身元不明の遺体を調べるというドラマの本懐が邪魔になっちゃったようで、遺体はヤクザの組長が引き取るということで処理してしまいました。しかも、その組は解散するわけで、もう組長は亡くなった構成員とは関係のない老人です。しかも反社です。

 これまでのサクラなら、反社に引き取らせるわけにはいかない、本当に待っている家族がいるはずだとか言って執拗に故人の身元を詮索しようとしていたはずです。そのやり方がすごく乱暴で不遜だということをこのレビューではずっと言ってきたのですが、それをやらないという回がくるとは思ってなかったので、超びっくりしました。やらないんかい。

 死んだ人を扱うドラマで、回によって死んだ人の人生に「重い/軽い」が出ちゃったわけです。これはけっこう、この手のドラマで最低限守らなきゃいけないモラルを踏み越えたと思うよ。

 その死んだ人の名前を書類に書き込んで「一件落着」って顔でニッコリ笑ってるサクラ、すごい性格だねこの子。小芝風花、こんな役やらされてかわいそうだわ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)