開幕から低迷して松井稼頭央監督を事実上“更迭”した西武ライオンズが混迷を極めている。9月10日にエスコンフィールド北海道で行われた日本ハム戦でサヨナラ負けを喫し、3年ぶりのパ・リーグ最下位が確定。今後は監督人事を含めた組織再編に着手することになる。
西鉄ライオンズ時代の記録「シーズン84敗」を抜いて球団ワーストも更新したが……。
「現場からは『ずいぶん前から消化試合を、ただこなしている感じですよ』と、ファンが聞いたら怒り心頭の“本音”がダダ漏れしています。野手・金子侑司、捕手・岡田雅利など中堅クラスで、来季構想外に漏れた選手がここにきて相次いで現役引退を発表。シーズン終了後には“血の入れ替え”と称して多くの選手に戦力外を通告すると思います」(球団OB)
結果がすべてのプロの世界で、チームが低迷すれば多くの人材や首脳陣が去るのは当然のことだが、その最たる懸案事項は次の監督の人事。果たして、スムーズに決めることはできるのだろうか?
「これまで編成トップのGMを担った渡辺久信監督代行は、松井稼頭央前監督が休養したタイミングよりも成績が完全に下がったのでクビは免れません。編成面も森友哉などチームの主力が次々と流出してしまった責任を問われている。まあ球団親会社の資金援助が思うように得られないのは不憫だという意見も出ていますが……」(同前)
無論、次期監督の名前が水面下で流れ始めている。
「辻発彦元監督の名前を挙げたり、彼を推す球団関係者は多いですね。2回もリーグ優勝させた生え抜きOBで、他球団での指導経験もある。若手を鍛え上げるために鬼軍曹として2軍監督に迎えた方がいいというプランも浮上しているようです」(球界関係者)
一方で、客を呼べる人気OBの就任には懐疑的だ。
「現役時代から走攻守揃ったイケメン選手の松井前監督を潰してしまっていますからね。同等のOBなら松坂大輔氏もいますが、今の状態のチームを指揮することに、本人は難色を示すと思います。外部から連れてくるにも契約金など多額の費用がかかるので、球団としては内部の人事異動で済ませたいのが本音。消去法で西口文也2軍監督に白羽の矢が立つのではないかともっぱらです」(同前)