◆夫の実家の家業にかり出され、タダ働きで生理用品も買えず

 夫からの提案に、特に異論もなく賛成してしまった晴美さん。ですが、晴美さんの両親は「大丈夫か?」と都会育ちの娘が田舎の家族経営会社に嫁ぐことに心配そうだったと言います。それでも夫が「晴美さんには苦労させませんから」と懸命に頭を下げ、なんとか送り出してもらえたのでした。

「夫の実家は運送業で、たくさんのドライバーさんを抱えた会社でした。私はそこで内勤の事務のパートとして働くことになり、主婦業と両立させながら、しばらくの間は平穏に過ごしていました」

 ところが、晴美さんが嫁いで間もなく……というよりも、もともとかなり業績が悪化していたという義実家の会社。事務パートだったはずの晴美さんもドライバーとして駆り出され、朝から晩まで休む間もなく働きどおしに。

大雨 車中
 さらに次期社長の妻としてドライバーを取りまとめるリーダー的なポジションにすえられ、彼らに対する指導や評価などの業務まで覆(おお)いかぶさってきたのです。

「給料? ありませんでした。嫁だからタダで使っていいという方針だったんじゃないですかね。お陰で生理用品すらまともに買えませんでしたよ……。

 本当に日々酷使されるばかりの生活で、夫とも生活時間が合わずにすれ違うばっかり。お金も無いのでかろうじて週1回あった休みの日はひたすら寝てました。」