美鈴さんの部屋に泊まり来た時は、気がつくと横に寝ていたはずの彼はいなくて、探してみると、よくトイレでiPhoneを使ってYouTubeを見ながらウトウトしているのだそう。

「とにかく、私の隣でグッスリ眠ってくれないんですよ…しょせん彼女といっても他人だし、警戒されているのかな?と何だか悲しくなってきちゃって」

 ある日、2人で夕食をとっていると些細(ささい)な事で口論になり、美鈴さんがつい爆発して「どうせ、私の横ではくつろいでくれないし…いやいや付き合ってくれてるだけなんでしょ?」と泣いてしまいました。

彼お化けが怖い
「するとWさんはビックリした顔をして『違うよ、俺は美鈴ちゃんが好きだし付き合えてホント嬉しいと思っているよ…でも』と黙って下を向いてしまったので『でもなに? 好きなら隠し事しないでよ!』ってまた泣いたんですよ」

「わかった、話すよ。でも美鈴ちゃんに嫌われてしまうかもしれない…」と頭を抱え、汗をダラダラ流しながらWさんはゆっくり語り出しました。

◆暗くて静かだとオバケが怖くて眠れない

「そしたらなんとWさん…夜、暗くて静かだとオバケが出そうで怖くて眠れないんだって言うんですよ!もう、本当に心配して損しました。はやく言ってよ~って感じでしたね(笑)」

 実はWさん、以前この事が原因で女性に振られてしまった事があるそうで…。

「前に付き合いかけた女性に『図体(ずうたい)だけでかくて、実は弱いってなに? がっかりなんだけど』と言われたのがショックで、私に本当の事を言えずにいたらしいんですよ」

 美鈴さんは、そんなWさんの弱いところも可愛いし、むしろギャップ萌えだなと思いました。

「なので『これからは電気やテレビを付けっ放しでもいいからゆっくり寝てね。でも私がいればオバケなんて怖くないと思ってもらえたら嬉しいな』と言ったら、Wさん泣いて喜んでいましたね」

 それから徐々にWさんは、美鈴さんにくっついていれば電気やテレビを消しても眠れるようになっていったそうです。