『アビゲイル』© 2024 Universal Studios
派手に楽しめる、オリジナリティあふれるスリリングな吸血鬼映画がやってくる。9月13日(金)公開となる『アビゲイル』だ。
『アビゲイル』あらすじ
大富豪の娘で12歳のバレリーナを誘拐した犯罪グループ。5000万ドルの身代金を手に入れるため、残された仕事は郊外の邸宅で少女の身柄を一晩監視するだけ。
だがこの少女の正体、実はバレリーナ・ヴァンパイア(踊る吸血鬼)。監禁されたのは人質ではなく誘拐犯だった。誰が何のために?想定外の窮地に立たされた彼らは、24時間のサバイバルに耐えられるのか?
レビュー本文
天才子役が吸血鬼バレリーナ役で魅了
子ども × バレリーナ × 吸血鬼というありそうでなかったオリジナリティあふれるコンセプトで、誘拐事件を起こした若者たちが凄惨な目に遭っていく『アビゲイル』の要は、なんといってもアビゲイル役を務めた“天才子役”アリーシャ・ウィアーだ。
冒頭から真っ黒な舞台に踊るウィアーが一気に物語に観客を引き込むだけでなく、正体が明かされてからもその無邪気なのか邪気MAXなのかわからない挙動で誘拐犯たちと観客を混乱と恐怖の底に叩き込む。
周囲も驚くとんでもない早さで習得したというバレエの動きは、ぜひ今後もどこかで披露していただきたいものだ。
監督らしさ全開の派手なスリラーユーモア
監督はマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレットのふたり。『スクリーム』シリーズ第5・6作や、“花嫁隠れんぼスリラー映画”というオリジナリティにあふれた『レディ・オア・ノット』(19年)を手がけた監督コンビだ。
今回の『アビゲイル』もこのコンビ“らしさ”全開。
悲鳴と血しぶきの上がる派手なホラー/スリラー作品であるにもかかわらず、どこか童心に返ったような可愛らしさ、ホラー映画とスリルを愛するがゆえのユーモアが勝っているようにも感じる空気感は従来の作品とも似ており、ホラー初心者をビクビクさせながら、ホラーファンをニヤニヤさせるような1作に仕上がっている。
少女(の姿のモンスター)を相手に、複数の大人がパニックになりながら乱闘を繰り広げるところなどは、痛そうなシーンにもかかわらずその豪快な勢いに笑ってしまった。