続いて、矢印などの簡単なコマンドを組み合わせて課題を解いていく「ロジックゲーム」に挑戦。初めは一人で課題に取り組んだ後、チームを組んで同じ課題を協力して解く「ピアラーニング」を体験することで、チームであれば一人で課題に取り組んだときよりも高いレベルまで到達できることを実感したという。

後半は、「Scratch」を活用してゲーム開発を行った。「Scratch」は、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのライフロング・キンダーガーテンというグループが作った、小学生でも簡単にプログラミングができるソフト。ウェブで自由に使うことができ、ゲームやアニメーションを誰でも作ることができる。

当日のゲームは、レーザーを当てて敵を倒すという共通した構成だったが、レーザーが斜めに飛んだり、敵の数が増えていったりなど、個人の創意工夫が光る個性的な作品が完成する結果となった。

体験会開催の背景

フランス発のエンジニア養成機関「42 Tokyo」は、バックグラウンドを問わず挑戦したいすべての人に質の高い教育を提供し、世界トップレベルのIT人材を輩出することで日本のエンジニア不足の解消に貢献することを目指している。

その取り組みの一環として、これまで和歌山県など各地方との連携(※)も推進。今回は埼玉県におけるIT人材育成の第一歩として、高校生向けのプログラミング体験会を実施した。今後も埼玉県教育委員会と連携することで、県内高校生の進路の選択肢として「42 Tokyo」を知ってもらい、より多くの高校生にエンジニアという職業に興味を持ってもらうことを目指しているという。

デジタル人材育成に向け新たな一歩を踏み出せたと確信

埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課 指導主事 上田祥子氏は、「本プログラムでは、ピアラーニングを通じてチームで課題解決に取り組む経験を積むことができ、生徒たちは技術力に加え、協働して新たな価値を創造する力を養いました。42 Tokyoの革新的な教育手法と、埼玉県のキャリア探究プログラムを通じて、デジタル人材育成に向けた新たな一歩を踏み出せたと確信しています(前略)」とコメントしている。