―連載「沼の話を聞いてみた」―

マルチ商法に関するトラブルがニュース等で話題に上るたびに、「うちの妹がいかにもやりそうだ」とため息をつくのは、40代の医師・宮下真子さん(仮名)。真子さんの妹も、もう何年もどっぷりマルチ商法の健康食品にハマり、たびたび家族が迷惑を被っているからだ。

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※写真はイメージです(以下、同)
妹はなぜそうなったのか? 姉の視点から、ハマった背景に目を向けてみよう。

真子さんの実家は、医者一家である。父、兄、弟、親戚一同、何かしらの医療職に従事している。

「妹は親が納得するような大学に入れる学力がなかったため、親の口利きで海外留学しました。偏差値の低い日本の大学に行くくらいなら、留学のほうがまだ外聞がいいという考えです。

入学は簡単ですが、語学力はそれなりに必要です。妹、英語はすごい得意なんですよ。逆に私は英語が苦手で、そこは尊敬しているのですが」