2024年大河ドラマ「光る君へ」の主人公は紫式部。彼女の「生涯のソウルメイト」として藤原道長が登場するということで、近年の男性主人公が続いた流れとは異色の大河作品になりそうです。

 藤原道長といえば、「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」という歌が有名なことから、したたかで権力欲にあふれたイメージがありますが、実際はどうだったのでしょうか?

◆想像よりも人間臭い藤原道長

紫式部は今日も憂鬱
『紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む「紫式部日記」』(堀越英美著)
 紫式部が道長の娘・中宮彰子(注:1)に仕えた日々を綴った『紫式部日記』では、道長のイケおじぶりにときめく様子も書かれているので、確かにラブストーリーのヒーロー的なキャラも持ち合わせていたようです。

 しかし、さすがは大作家の日記。持ち上げるだけでは終わりません。お酒が絡むと面倒くさくなる姿や、家族に見せる「困ったお父さん」な一面もつぶさに記しており、想像よりも人間臭い人物像が浮かび上がってきます。

 ここからは、「紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』」より、道長の意外な一面が伺えるエピソードを再編集し、ご紹介します。

(注:1)藤原彰子(中宮)…藤原道長殿の長女。わずか12歳で一条天皇に入内し、翌年中宮となる。