日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧鶯沢町(栗原市)を写真とともに紹介する。
Vol.295/宮城県旧鶯沢町(栗原市)
次にやってきたのは旧鶯沢(うぐいすざわ)町だ。栗駒山の南東麓に位置する町で、アニメなら主人公で登場しそうな名前である。なかなか、今だと名付けられない地名ではないだろうか。それぐらいかっこいい。
旧鶯沢町では、「細倉マインパーク」という細倉鉱山を元につくられたテーマパークが有名だ。鉱山の中を探検できるという。もちろん訪れたいのだけれど、開館よりも1時間早く着いてしまったので、入口付近まで訪れた。
細倉鉱山は日本有数の鉱山で、1200年もの歴史を持つ。鉱山を中心にした暮らしがここにあったことは、今の現代社会にも密接に繋がっている。だから、できるだけ日本のこうした歴史はたくさん知ることができたらいいなと思う。
その後、細倉山マインパークから東へ10分ほど進み、鶯沢総合支所の周辺を散策した。山が近い鉱山の風景とは違い、支所周辺は川が流れ空も広く、のびのびとした風景が広がっていた。一面に広がる田んぼも若々しく、眺めるだけで気持ちがいい。
また、支所の車庫には除雪車が収まっていることも印象的だった。今は牧歌的な風景だけれど、冬になれば全く違う景色が現れるのだろう。そうした違いもまた、豊かさであり美しさだと感じる。