ただ日テレは2000年に放送倫理・番組向上機構で、出演料について「基本的にボランティアでお願いしております。しかし、拘束時間の長い方など、場合によっては謝礼という形でいくらかのお支払いをしております」と回答しており、ボランティアであっても「謝礼」という形でギャラが支払われている可能性が示唆されていた。

 過去には、2004年にチャリティーランナーを務めた杉田かおるが「思ったより少なかった」と冗談めかしながらもギャラの存在をほのめかしたことがあり、1991年に司会を務めた帰国子女の西田ひかるが「日本のチャリティー番組は出演料が出るの?」と驚いたというエピソードも業界で有名だ。しかし、ギャラについては詳細が公式に明かされることはなく、ある意味で「ブラックボックス」化していた。

 だが、今回のやす子の発言で通常はランナーにギャラがあることが明確化したともいえる。となれば、当然ランナーだけでなく、司会やゲストなどにも相応のギャラが支払われていると考えるのが自然だろう。

 『24時間テレビ』の出演料については、ネット上で「チャリティー番組だろうと、労働の対価としてギャラが出るのは当たり前」「ノーギャラだったら有名なタレントが集まらず、募金額が減ってしまう」「ボランティア=無償ではないし、タダでやってたら続かない」と擁護する声もある。

 しかし、欧米などでは出演者のギャラやCMスポンサー料も含め、すべて寄付に回すというスタンスが主流。そのため、SNS上では「チャリティー番組でテレビ局が利益を出すのはおかしい」「アメリカのチャリティー番組でタレントがギャラもらったらスキャンダルになる」「テレビ局は広告料で稼ぎ、タレントはギャラをもらって、お金を出すのは視聴者だけかよ」といった批判の声のほうが目立っている。

 今回のやす子の発言をきっかけとして、改めて日本におけるチャリティー番組の在り方についての議論が過熱しそうだ。