目下、プロ野球ファンの関心事になっていることのひとつが西武の“負けっぷり”だ。勝率は3割台前半で、首位のソフトバンクから30以上のゲーム差を付けられ、ロッテ戦では開幕から16連敗してプロ野球記録を更新するなど、派手に負け散らかしている。

「今年の西武は開幕5試合を4勝1敗で終えましたが、良かったのはそこまで。すぐに7連敗して貯金を吐き出すと、5月から8月まで“4カ月連続8連敗”という記録を作り、8月に入っても勝率が2割台の時期がありました。特に酷いのは打撃陣。1試合の平均得点はわずか2、3点しかなく、チーム打率は2割を切る寸前。いくら投手陣が踏ん張っても3点取られたら負けですから、勝負になりません」(野球ライター)

 過去の記録を紐解くと、シーズン勝率が2割台だったチームもあるが、大半は50年以上も昔の話。唯一の例外が2005年の楽天だが、その年の楽天はチーム初年度で、大負けするのは当然だった。いまだシーズン100敗の可能性も残す西武だが、不思議なのは2軍。目下、イースタン・リーグの首位は西武だ。

「今年のイースタンはオイシックスが加わり、8球団での戦い。新規のオイシックスが最下位なのは当然として、西武は下位に沈むどころかDeNAや巨人と首位争いをしています。貧打に悩む1軍とは対照的に、チーム打率や得点数はリーグ上位。1軍では負けっぱなしのロッテ戦も2軍では大きく勝ち越しています。しかし2軍が強いのを肯定的に捉えるのは危険です。成績を見ると、本来なら1軍でバリバリ活躍すべき選手が2軍にいて、2軍戦では無双するものの、1軍に上がると活躍できないケースの連続。一方で、本来なら2軍で鍛えるべき選手が1軍に上がり、成績を残せずに自信を失って2軍に戻ってくる例も目立ちます。要するに1軍も2軍も1.5軍で戦っているようなもので、1軍が圧倒的ビリで、2軍が首位争いするのも納得です」(同上)

 2軍が着実にレベルアップしていれば未来は明るいが、実績がある選手が2軍でくすぶり、まだまだ半人前の選手が1軍に上がれてしまう状況は悪循環としか言いようがない。こうなると来季の西武はどうなるのか?