ずっとひとりぼっちだった蓮水花音でしたが、実は本人も知らないところで、身体を張って守ってくれてた男がいたんですね。その男は、花音への愛ゆえに罪を重ね、自分自身を痛めつけていた。このドラマに通底するテーマです。人は愛ゆえに罪を重ね、自らを痛めつけ続ける。灰川十三(小日向文世)もそうだったし、13人殺しの犯人・鈴木もそうだった。そして、虐待親父をボコり続けていた過去のある冴木も。

 一方で、灰川邸事件の生き残りだと思われていた神代健流(杢代和人)がすでに死んでいたことが明らかになり、母の陽子(長谷川京子)に黄色いカーネーションを贈り続けていた人物の謎が新たに浮上しました。陽子は、毎年誕生日に玄関に黄色いカーネーションが置かれていたことから、健流の生存を確信していたと冴木たちに話していました。

 しかし、実際にはその黄色いカーネーションは自身が購入していたものだった。次回、陽子は蓮水花音に呼び出されて、灰川邸に向かったようです。

 13人殺しの発覚から始まった灰川邸事件、やはり、この場所で事件のすべてが終わることになるようです。おもしろかったね。最終回を見届けましょう。

■キャスティングの妙に騙される

 冴木を演じる成田凌と先輩刑事の五味を演じる黒木メイサ、そして蓮水花音役の吉川愛というトライアングルがこのドラマの雰囲気に寄与していたことは間違いないんですが、そのほかにも凝ったキャスティングがあって目くらましになってるんですよね。

 やっぱり名前のある人はモブっぽい感じで出てきても何か重大な役割があるだろうと思ってしまうのは視聴者の習性みたいなものですが、このドラマではあんまり重要な感じじゃない出方をしていた鈴木役のEXILEがやっぱり犯人だったりして、名前のある人をそういう使い方をするドラマだといったん刷り込まれているわけです。

 かと思えば元祖トレンディ女優のひとりである仙道敦子が本当に単なるチョイ役で出てきたり、第1話から重要っぽく引っ張られてきた健流役のアイドル・杢代和人がすでに死んでいて出番がほとんどなかったりで、実はそうでもないのかもしれないと思わされている。