『佐々田は友達』
スタニング沢村:言葉にするのが難しいのですが、これはsex(生物学的な性差)の問題ではなく、gender(ジェンダー/社会的・文化的な性差)の問題で、自分のジェンダー自認がこの場に沿っていないから辛いんだと気づいたんです。

 スカートを履くことが問題という訳でもなくて、私が周りの人に女性として認知されながら、“皆の前で男女ペアで踊る状態”が無理なんだというのが、自分の中で大きかったです。

 2巻の体育祭の回は、佐々田がどういう行動を取るのか、かなり苦心しながら描いたので是非読んでいただきたいです。

◆ハッピーエンドを目指して

――1巻の冒頭に、「ひとりの友達の”変身”の物語です」とあるのですが、今後はどういったことを描いていくのでしょうか。

スタニング沢村:佐々田が、今後トランス(Transform)していくという意味の「変身」もあると思いますし、精神的な「変身」もあると思います。

 自分でもまだ先は見えていないのですが、『佐々田は友達』というタイトルの通り、ハッピーエンドを目指して描いていこうと思っています。

<文/都田ミツコ>

【都田ミツコ】

ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。